「それいゆとアポロン」

あれは忘れもしない昭和58年9月5日のことでした。

この日の朝、起き抜けにちょっとした夢を見ました。
というか、夢の中で一言、台詞を聞きました。

「あと1年と342日」 と。

何だこりゃ?
と思ったんですが、念のため、カレンダーをチェック。
1年は365日だから、365-342=23 9/5より23日前は、
8/14 昭和60年8月14日? 

何だろ?? と、この時はそんなに気にしなかったんですが、
後日、似たような夢を数回見ました。

やはり、声だけの夢なんですね。

「それいゆ」 「青いアポロン」

何かの暗示のような、そうでないような……。
しかし、「それいゆ」って何だ?
わけが判らないので、雑学に詳しそうな友人に聞いてみると
(当時はインターネットもウィキペディアもなかったので☆)、
「それいゆ」というのはフランス語で「ひまわり」のことだとか。
それと、後になって知ったんですが、戦後すぐ発行された女性誌に
「それいゆ」というのがあったそうです。購読していた新聞にその復
刻版が発行されるという記事があるのを見つけまして、ちょっと読んだ
んですが、その時のキャッチコピーが、

「終戦後の女性達に希望を与えた」

というものでした。

「それいゆ」にしろ、「アポロン」にしろ、
どっちも太陽関係で、大空関係です。

前者は幸運っぽい感じですが、後者は何やら不吉っぽいです。
ついでながら、前者は女性? 後者は男性? という感じです。
何かやばい事件が上空で起こるのかな、と思っているうちに、
あっという間に昭和60年となりました。

8月当初、私は祖母と京都へ旅行へ行っていたんですが、
その帰路が8/14の2日前、8/12でした。
まだ瀬戸大橋がなかったため、夜の10時に神戸からフェリーに乗り、
四国を目指したわけですが、一人で食堂に入って仰天しました。
食堂にはテレビが設置されていたんですが、どのチャンネルも
ずーっと乗客名簿を流していたんですね。

もうお判りと思いますが、
日航機が御巣鷹山に墜落した事件の報道だったんです。

この時は生存者も何も情況が全然判らなかったんですが、
家に帰ってニュースを見ていて、上記の台詞の意味が
「これだったのか」と確信しました。

この墜落事故、生存者がいたでしょ? 
男性は全員死亡でしたが、女性は4名生存していて、救助されました。
あの時の日本全国の拍手喝采は、文字通り、

「希望を与えた」

という感じだったのでは?

要するに、「それいゆ」という単語に象徴された女性には生存者がいるが、
「青いアポロン」で示された男性は、絶望的という意味だったんです。

なーんだそっかー、と思ったんですが、
ここで日にちのズレに気付きました。
8/14に事故は起こるんじゃなかったっけ?
が、その疑問はすぐに解消しました。
私は1年を365日として計算しましたが、昭和60年はうるう年だったんですね。
1年は366日☆ しかも、夢を見た9/5を数に入れるのか入れないのかで
また1日ずれてしまいます。
このミスさえなければ、かなり正確な事故の内容が予知できたのにな、
と少々残念でしたが……。

今年もまたこの時期が参りましたが、未だに忘れられない事故です。
亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。


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