「水渡り」
●●県と○○県との県境の国道付近に、△△沼があります。
ここへはけもの道しかない為、ほとんど人が訪れず、
沼の魚は丸々と太ったのが ゴロゴロしてます、
中には誰かが放流した錦鯉や黄金、巨大フナなども大量に生息してます。月に一度、ここへ来て、鯉を釣り上げ、夕食に鯉を食べるのが、
近頃のマイブームと なってました。さてと釣るかと、竿を組んでると、約260m先で釣りの前客の存在に
気づきました、何度も、ここへ来て初めて見る他人です。緑色っぽい服、
いや、つなぎを 着てます、どこかの自動車修理工場の人でしょうか?、釣りの邪魔になりそうなので声を かけるのは止めました、
針にミミズを付け、糸を垂らしました、ぼんやりと水面を眺めてると
普通なら鯉の背の一つでも見えるはずなのに、今日にかぎって
魚のさの字もありません さっぱりいない、そんな感じです。ふと、さっきの人は釣れているのかと、先程の方向に目を 凝らすと、
緑の人は変な動きをしてます、前後に揺れているような、
何あれ?と思った瞬間 緑の人は、沼に向かって飛び出したのです、「何だあれ、入水自殺か?」
と思った瞬間、まるで 水面に平の石を投げると石が水面を跳ね飛んでいくかのように
…そうです緑の人は水面上を 地面のように走って行くではありませんか、よ
く見ると背中に甲羅を背負い、頭には皿らしきもの、それに 緑の服ではなく、緑の皮膚、
左手には鯉、右手にはキュウリ ……そうです、間違いありません河童です、
河童が水面を走って 反対側の岸へ移動し、そのまま茂みの中へと走って消えて行ったのです。私は、釣り道具を片付け、帰りました。