「超音速ジェット生首」

 E町の県道●●●号線。Dは友人のRと共に、高校時
代の同級生の自宅よりRの軽で帰る途中でした。車はH
ONDAのライフディーバ、ターボ車です。TVCMで
時たま見かけるパーキングアシストや、瞬間燃費表示マ
ルチインホメーションディスプレイまである軽でした。
車内も結構広く、おまけにリッターカー並に加速してく
れるご機嫌な軽四でした。
 街灯が途切れ、峠道にさしかかり、同じCDの曲にそ
ろそろ飽き、FMに切り替えた時の事。
そこは、昔からよく事故が多発し、歩道には数箇所「地
蔵」の点在している知る人ぞ知る「事故り峠」と呼ばれ
る場所でした。
Rとは、ホンダの軽四、ゼストの話の途中、突然Rが車
を加速させ始めたのです。
最初は、飛ばし屋としての習性だと思ってたのですけど、
80km、90km、と、ふとRの顔を見ると、顔が引き
つり、凄まじい形相でハンドルを握ってるではありませ
んか
100km「あぶないぞ、どーしたR?」と問いかけると、

「話し掛けるな、後ろっ」

と、Rが叫びDは、後ろを振り返りました。  

「ひいぃっっ」

何と言う事でしょう
時速100km程で走る車の後方を同じ速度で、胴体の無い
浮遊生首?が追って来てるではありませんか、月明かりで
半分黒っぽく見えてますけれど、
間違いありません「生首」です。

「何か首に恨まれる覚えは?」
「知るか、そんな事」

車は新車です、首に恨まれる覚えは無いはず、
思わず「逃げろR」と叫ぶと「分ってらぁ」とRの叫び、
相変わらず首は車と同じ速度で追って来てます。

どんどん加速してゆく軽四、この車は、リアシートは
軽量張りぼて、不要な内張り、補強材までも取り除いた、
まったく安全性を無視した最大限の軽量化を施していた
のでかなり凄まじく加速するのです。
しかし、相変わらず、後ろの首も、あいかわらず同じ
速度で追って来てるではありませんか。

「しゃあねぇ」とR 
インパネにある謎のスイッチをONにしました。

ぬおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ  

うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ

実は、この車は、車重を軽減しているだけでなく、そもそも、
どうやって車検を通しているのか不明ですが、現在は、それ
どころでは無く、ニトロ燃焼なんたらかんたらシステムまで
組み込んでおり、以前Rが、200km以上出せると自慢し
ていた恐ろしい軽四だったのです。
体がシートにのめり込みます、呼吸までしにくい程に、
Rのいじったスイッチは、ニトロだったのです。
推定200km以上 新幹線並の馬鹿な加速で車が速度を上げ
て行きます。メーターの針は140kmで止まってます
(表示が140kmまでしかないのです)

なおも、首は追って来てます。
「駄目だ逃げきれん」そう言った瞬間、
何と 生首はスゥゥッと車内に侵入したかと思うと
猛スピードでフロントガラスへと擦り抜け消えて行ったのです
恐ろしく冷たい感覚が2人の間を通過しました

うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ        

ドオオオオオンンンンンンン

案の定でした、200km以上もの ニトロ軽四にコー
ナーが曲がりきれるはずなどないのです。車はスリップ
し、回転しながらガードレールの切れ目から空中にふっ
飛んだのでした。

その後の事は、覚えていません、目が覚めるとDは、
病院のベッドの上でした。車は崖下へと落ち大破、通り
すがりの人が見つけ通報してくれたそうです。Dは、奇
跡的に、腕の骨折と打撲と擦り傷だけですんだそうです。
所が、無理な車の軽量化のせいでルーフやドアが吹き
飛び、そして何故か、運転席のRは、胴体だけで、切断
されたように首が姿を消し行方不明だったそうです。
もしかして、あの時、追って来てた生首がRの首を持っ
て行ったのか?
あるいは、あの追って来てた生首が、Rの首だったのか? 
だとしたら ゾッとします……。


実は、この話は、日本国内だけではないらしいのです。
米国の軍事衛星で、ユタ州の国道を音速で移動する
「生首」が撮影されその報告は、馬鹿らしいので無視
されたそうです。

終わり


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