「半透明な人」
台湾在住です。
結婚前、まだ日本語教師として働いていた頃の私の通勤の足は
殆どがバスでありまして。 6時半の授業に間に合うよう早めの夕食
を終え、 目的地までバスに揺られていたのだが。。。
外はちょうど帰宅ラッシュ。バスの中も混んでいるし、 車もスクー
ターもすごい数!!
とくにスクーターは車間距離なんて関係無いから信号待ちに
なんてなると、 皆少しでも前に進もうとキチキチにつめて、 本当、
道路の隙間がみなスクーターで埋まって、正にいも洗い状態。
(って、今はかなり改善されたけれど)
そんな中、最前列から2、3番目のところにぽっかり1台分 隙間あり。
きちんと長細く、きっちり1台分て感じ。
…なんで 〜、あの隙間は誰も入っていかないんだろう?
〜 なんて思って、…よく見てみたら、
…信じたくなかったけれど、 そこにはちゃんと人がいた。
同じくスクーターに乗った、
…半透明のひと。 そしてスクーターも半透明。
うっそ。
一瞬、見間違い??と思った私は、 きっと反対側のスクーターが
なにかに反射されてそこに映って見えて いるんだろうと思った。
だって、私が見てるのはバスの窓越し、ガラス越し。
だから、急いでバスの反対側を覗いて見たんだけど、 ちょうど
その反対になる辺りにバイクは無し。 それによく考えたら反射
して見えてる人の影なら、 周りのバイクに重なって見えてるは
ずじゃん! そこだけぽっかり誰も入りこまずに空間があるのは
・・・ やっぱり変。うそだろ〜。。 と思いながらもう一度そちらへ降りかえってみる
と やっぱり1台分あいてる… …半透明のお兄ちゃんもいる…。
でも、それまで私、そんな「珍しい物」見たことなかったから、
それがどうしても現実だとは思えなかった。 他の人には見え
んのだろうか? でも、そのお兄ちゃんの隣のスクーターの人
でさえ何も気にせず 普通に前を見ている。私の気のせいなんでしょうか?
怖いなとは思ったけれど、「あれはなんだ!!」と言う気持ち
の方が ずっと強かったから 確認しようとず〜〜〜〜っと見て
いたら… お兄さんが振り返りました。
さすがの私もこれはヤ バイ!!!!!と思いました。
あわてて反対方向に顔をそむける私。 でもお兄ちゃんが
ずっとこっち向いてるのわかるんだよね。 理由も無く 絶対
目を合わせちゃ行けない! と思い、そのまま顔をそらして
いるのに… お兄ちゃんの事は見えてないのに…
お兄ちゃんが信号が青に変わって走り出してもこっちを
見ているのがわかる! こ〜わ〜い〜〜〜。。。一気に吹き出る玉のような汗。
血圧が急に上がって(下がって? )立ってられないような
感覚に襲われて。…どうしよう!!
と思ったら ・・・ ふと楽になりました。
え?と思ったら、次の信号でそのお兄さんは右折していきました。
全然、そっちを見てないんだよ。 でも、なんでかそうわかるのって、
私のただの希望的観測?? 私のバスはそのまま直進。人生でもっとも恐ろしい経験です。
バスとあのお兄さんが、ずっと同じ進路だったのなら
私はどこかへ連れていかれちゃったのでしょ〜か?