「火葬の理由」
主人公 F氏の現在居る場所、そこは、S総合病院の手術台の上でした。F氏は今、手術服の医者、看護婦、研修医集団に取り囲まれています。F氏は声にならない悲鳴で叫びます。「俺は、まだ死んでない、生きてる、助けてくれ」とでも、叫びは届かず、手足はおろか、指すら動きません。
話は、数時間前へと、さかのぼります。F氏は、10年前に交通事故にあって以来、植物状態を10年間続け、本日、10年目丁度に、生前?のF氏の意思(遺書、ドナーカード、アイバンク登録書他)などをふまえ、残された家族と主治医との話し合いの末、F氏の意思表示「自分の死後は、提供可能な臓器は、全て、他の人へ役立てて欲しい」を尊重し、ついに、生命維持装置撤収、臓器摘出/提供が決定されたのでした。
F氏の意識は生きているにもかかわらず。
そして、とうとう、手術台にてF氏は横向きにされ、背中に注射針を突き立てられました「うぐっ」そうです、骨髄バンクに登録していたのです、「あ、あああ俺の髄液がぁぁぁ」医師のあまりにも手際の良い手さばきでF氏の髄液が抜き取られて行きます。それから、寝かされたF氏の遺体?から、本格的な臓器摘出が始まったのです
それも、麻酔も無いまま「や、やめろ、もし死んだら化けて出てやるぞ!頼む、許してくれ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ」「た、助けてくれェェェェェ」メスを手にした医師が接近し、メスが胸に「プス」「スシュ−」「ぐええええええ」F氏の胸が切開され、アバラが剥き出しにされました「ぬおおおおぉぉ」アバラは、プレートを内側へ滑り込ませ骨粉が落下しないようにし、自在に曲がる本当の糸ノコで内側から切る事を初めて知りました、関心してる場合ではありません。糸ノコでアバラが切断されて行きます、死ぬ程の痛みの苦痛がノコの振動と共に脳に伝わって来ます。「ぎゃああああああ」 やはり、F氏の叫びは伝わらず、機械の様なメスさばきにて、F氏の心臓が取り出されました、そして、素早く丁寧に、隣のベッドの適合ドナーへと移植されました。
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
死んだ方がましな痛みは更に追加されます。
「うぐえええぇぇ」
今度は、腹部が切開され、肝臓、腎臓、すい臓、と次々摘出され、「フギャアァァァァァァァァァァ うう ぐがあぁ」 それぞれの臓器は、大切にケースに入れられ、それぞれのドナーの待つ病院へと、運搬されて行きました。
「うぅぅぅぅゥゥ」
F氏の悲鳴は次第にか細くなっていくのでした。
胸と腹の空洞部位へ臓器と同等量の脱脂綿が詰められ丁寧に縫合されて行きます。(F氏には何の慰みにもならず、味わった事の無い痛みと苦痛にもがき続けます)「うがぁぁぁぁぁぁ、だ、誰か、いっそのこと殺してくれ うげぇぇぇぇ」と、その時、F氏は思い出したのです「あぁあぁ そうだ、確かアイバンクも登録してたんだ」
案の定、医者の手でF氏のまぶたは大きく開けられ器具で固定されました、眼球を通して、手術用ライトの光が直接目に飛び込みます。と、光を医師の頭がさえぎったとたん、今度は、メスが眼球にゆっくりと接近してきます「ぐわぁぁぁ」胸、腹の痛みを打ち消すような恐るべき恐怖が接近してます、メスが眼球表面に刺さります「うぎゃああああ」「ぐぎゃ」「ひいいい」プチュ、キュキュ、F氏の片目の視界が無くなり、角膜がはく離されます「ヴがぁぁぁぁああ」もう片方の目も同様に、角膜を摘出され、とうとう何も見えなくなりました。術式終了後、手術室の全員で、F氏へ感謝の黙とうがされます。F氏は、未だかつて無い言葉に出来ない地獄の痛みで動かない身体でもがき苦しみ続けるのでした。
その後、F氏の遺体?は自宅へと返されたのです が、納棺、通夜、葬儀の間中、いっそのこと本気で死んだ方がましな苦痛に苦しみ続けた事は言うまでもありません。
そして、とうとう、最悪の苦痛がF氏を襲います。そうです、F氏は棺おけごと火葬場へ運ばれ、ついに、火葬炉へ入れられ戸が閉まり、火葬が始まったのです「ああ、これで楽になれる」と思ったのですが、そんな悠長な話ではありません、何しろ生きたまま?火あぶりにされるのです
「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
棺おけが燃え炎が内部へと入って来ました、足が、腕が、顔が、胴体が生きたまま焼かれているのです
「がああぁぁァァァァァァァァァァァァ うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ぐああああぁぁぁァァァァァ ぬがあぁぁぁ」
とうとう、F氏は脳が燃えながら意識が遠のいていったそうです。 そこで、F氏は、目覚めました。(どうやら悪夢を見ていたようです)10年間植物状態になってた自分の体は、汗だくになりつつも、ベットから跳ね起きたのです、驚いたのは病室に居た家族達です、実はつい先程、主治医とF氏の臓器提供の話し合いが終わったばかりだったのです、もう少し遅かったら、痛みまで忠実にリアルだった悪夢が確実に現実になる危機一髪の瞬間だったそうです。その直後、F氏は自分自身が生きてる事を心の底から神様に、感謝したそうです。
友人の叔父の、F氏の実話は、ここで終わりです。 所で、呼吸も、心臓も、脳波も停止し、医師も医学的見地から「臨終」を告げた後、本当に人間は死んでいるのでしょうか?外国では今でも土葬の国があり、日本でも昔は、土葬を実施してた所がありました(現在はほとんど火葬ですが)所が、古いお墓を掘り起こしてみると棺おけの裏にどうみても爪で引っかき回した痕跡や(遺体の爪も剥離)苦しみの挙句、自分の首を絞めてたり、首の皮を引き千切った跡のある、つまり、死後、どうみても生き返ったとしか思えない痕跡例が多数実在しているのです。海外では、埋葬された後、生き返り、墓から出て自宅へ帰った遺体?(生き返り帰宅した後、又、死亡)が「ゾンビ」の原点とか言われてます。
日本では土地事情により次第に土葬が無くなり、ほとんど火葬になってますが、これは、死後、「生き返らせない為のとどめ」と言う理由もあるそうです。 早かれ遅かれ、皆平等に人間は、誰しも何時か必ず死にます。その時に、もしも、貴方が、医学的に間違いなく「死亡」と診断されたにもかかわらず その後、突然、手術台や、火葬場の火葬炉の中で、仮死状態のまま生き返ったらどうされますか?