「フランス人形の小指」

私がまだ5、6歳頃母方の祖母がフランス人形を私と姉に一体づつ
田舎から送ってくれました。その人形は陶器で出来ていてその上
からきちんと洋服を着たものでとてもかわいかったんです。普通
なら部屋で飾っておくものなんでしょうが、まだ幼かった私は家
の外へ持ち出して遊んでました。
道の上を歩かせたり人形の両手をパンパンとたたかせてみたり。
ひととおり遊んで家に戻ろうと思ったら、ないんですよね。人形
の小指が。パンパン叩き過ぎていつの間にか割れてたんですよ。
母に正直に言ったらさすがに怒られて『探してきなさい!』と言
われました。薄暗い道端をあちこち探したんですが、結局見つか
りませんでした。この事に懲りてその人形を持出す事はなくなり
部屋に飾ってました。

それから時が経って高校生になったら金縛りに遇うようになった
んです。この頃からあらゆる人形なども気味悪くなり、部屋にあ
ったぬいぐるみなどと一緒にこのフランス人形も紙袋に入れて、
押入れの隅(上の段)にしまってしまいました。それでも押入れに
しまった事を忘れる事もなく頭の片隅で覚えていたんです。

20歳を過ぎた頃、夜寝ていたらいつものごとく金縛りになり、
う〜っともがいていました。私は怖がりなので金縛りになると
絶対目は開けないんですよ。でもあーいう時って目つむってて
も部屋が見える(というか感じる?)んです。
何分何秒かわからないけど、もがいている私の部屋のその押入
れから、スタッとその人形が降りてきて周りを走り回るんです
よ。それから又飛び上がって紙袋の中に入ったんです。金縛り
はそれから直ぐ解けましたが。。。
明くる日その事を家族に話しましたが、あまり本気にしてくれ
ませんでしたが、父方の祖母(昔そっち関係の修行をしていた
らしい)に相談してた所、『人形にとっては飾って貰ってうれ
しいんや。それなのに押入れに入れられて寂しかったんやろな』
と言われました。結局祖母に念を封じてもらい神社のお炊き上
げの日に燃やしにいきました。(この他家には髪が伸びる日本
形2体もあったのでそれも一緒に)

それから又10年程過ぎましが今考えるとそのフランス人形の
小指を割ってなくしてしまったせいか、いつの間にか私の左
手小指は右手に比べると短く部分的に異様に太いんですよね。
人形の割った部分と同じ部分の間接だけが、、、


  次の怪談読む?   

スポンサーも訪れてくれると嬉しいです(^^)
スポンサーも訪れて下さいね。別ウインドウなんでお気軽に。