「ツンツン」
この話は、主人から聞いたものです。
主人は、幽霊やお化けというものを全く信じておりませんでした。
それを体験するまでは・・・。
まだ独身時代、アパートに一人で住んでいた時のことだそうです。
ある晩、たぶん丑三つ時と言われる時刻。
ベッドに寝ていた彼は、何かが自分をツンツンとつつく気配を感
じました。 でも眠いのでそのまま寝ていると、またツンツン。
腰のあたりを指でツンツンされていることが次第にはっきりとわ
かってきました。だんだんと覚醒しふと振り返って見ると、ベッ
ドの横に顔が、顔だけが浮かんでいたそうです。その顔はおじい
さんで、わずかに笑っていたそうです。それを見た途端、彼は
「死んだフリをした」そうです。
人間、パニックになると何をするかわかりません。 幽霊に死ん
だフリをしても・・・。 しばらくじっと動かずに死んだフリを
して、それでも気になるのでそーっとまた振り返りました。その
時はもういなかったそうです。
その後、怖くなった彼はあわてて部屋中の電気をつけ、夜中にも
かかわらず、友達に電話をし近所にあるデニーズにとんで行った
そうです。次の日の朝まで、友達に一緒にいてもらい、2,3日
アパートには帰りませんでした。
そして、いざ自分のアパートに戻ってみると・・・ドアを開けた
途端、プーンとお線香の匂いが。 そして部屋に掛けてあった時
計が、止まっていたそうです。 例のツンツンの時刻で。
それでも、こんなことを信じたくない彼は、「電池が切れて偶然
に時計が止まったんだ」と自分に言い聞かせ、掛け時計から電池
を一度取りはずしその電池を入れ直したところ、普通に動き出し
たのでまた怖くなったそうです。 ちなみに、その後掛け時計は
電池を何ヶ月も取り替えることなく動いていたそうです。
そういうことがあって数日後、会社で重たい机を運ぶのを手伝わ
されていた時、いきなりギックリ腰になりそうな気配を感じ、
もっていた机をあわてて離したそうです。 ギクッときそうになっ
たところは、まさにツンツンされた場所だったとか。
すぐに離 したおかげで無事だったそうです。
きっと、彼の守護霊だったんでしょうね。
数日後ギックリ腰をやるよ・・・気をつけて・・
って警告にきてくれたんだと思います。
というか、そう信じ たいと言っていました。