「ラブ様」

思春期の中学生に定番の心霊ゲーム(コックリさんなど)に、私と
友人達もはまっていて放課後はほぼ毎日やっていた。その時の話。
私達のやってたゲームは、通称「ラブ様」。コックリさんのように
捧げ物を用意したり厳格なルールがなく、紙の中央に大きなハート
マークとそれをかこむように「あ〜ん」「はい」「いいえ」の構図。
参加者が手を重ねて鉛筆を握り、ハートの中央からはじめる。
ひじはついてはいけないことになっていた記憶がある。
質問は大抵「○○ちゃんは××君と両思いですか」的な他愛ない
ものだったのだが、ラブ様が突然暴走を始めたことがある。
きっかけは参加者のひとりの質問、「私の初体験はいつになるで
しょうか」。答え「ことし」。質問「だれと」。答え「●●●
(実在の当時のクラスメート男子の名前)」。質問「どこで」。
答え「がっこう」。みんな、うっそ〜ヤだ〜〜とか、質問した
子を冷やかしてかなり盛り上がりました。でもその瞬間、
「おまえは おかされる」「おかされる」「おかされる」!!!
すごい速さで握った鉛筆が動き出したのです。やめてください、
もう終了してくださいってお願いしても止まらない。どーしよー
どーしよーってパニクって泣き出しそうになった時に、
「お前ら何やってんだっ」って生活指導主任が入ってきたんです。
そしたら、ぴたっと鉛筆が止まりました。残された紙は摩擦で
もうボロボロです。助かったーって心底思いました。もちろん
生活指導主任からは一人いっこづつ大きいゲンコツ&説教を
くらいましたが。 あれ以来このテの心霊ゲームはやらなくなりました。
集団ヒスが鉛筆/10円玉/板(ゲームで使用する意思の疎通ツール)を
動かすんだ、 とか研究家は言うけど、あんな滑らかで激しい鉛筆の動きを見たら、
それはきっと"違う何か"だったんだと思わずにいられません。

ちなみに、私達にゲンコツをくれた主任は超現実主義者だったけれど、
こういう心霊ゲームをすることだけは厳しく禁じてました。
というのも、彼がまだ若かりし頃、同じように放課後の教室でこっくり
さんをしてた彼の受け持ちの生徒が突然取り付かれたように叫びながら
屋上へ駆け上り、おおかた身を投げるところだったという経験がある
からでした。あん時のゲンコツ、本当に痛かったな〜。


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