イヌヲのアングラ日記
「イヌヲ、愕然!」
フフフ、実は明日チワちゃんと会うんですよ。
昨日電話したらいつものチワちゃんだったんで速攻でアポとりましたよ〜。
発情期も一休みしたんですかね?ま、僕としてデートしたときにまた発情期が来て
「ねぇ、イヌヲ君、しよ♪しよ♪」などと迫られるのも大いに期待してたりしますが。エヘヘ。
ちょっとニヤケ過ぎてヨダレ垂れちゃいました。(^¬^) フキフキしておこっと。
え?エロイヌって? まあまあ、僕の幸せちょっとやるから見逃してくださいな。ケケケ。
さて、デート前に今週の「ドッグボーイ」の特集の 『HOW TO 交尾』 を
熟読しに喫茶「ドカン」でも行きますか。あそこならホネコ一杯で何時間でも読めますし。
僕ってなかなか倹約家でしょ? いや、必要に差し迫られてんですけどね・・・・。
最近金欠でペディグリーチャムから乾燥タイプのドッグフードになっちゃいましたよ。はぁ・・・。
さて、そんなことは忘れて喫茶「ドカン」へゴー!!
相変わらず常連しかいない店ですね〜。イヌ丸もカウンターでのんびり雑誌読んでますよ。
マスターはどうせパチンコでも行ってるな。こりゃいつか潰れるぞ。
ちょっとマスターの声真似してイヌ丸ビビらせてやろっと。僕意外とうまいんすよ。
「オラァ!ナニサボってやがんだ、べらぼうめ!時給下げるぞ、てやんでぃ!」
「す、、、すいません!すぐ掃除しますんで!ヒィイイ!あ・・・・・・・」
「ケケケ、メッチャビビッてるな〜。一瞬本物かと思ったろ?」
「イヌヲさん、マジで勘弁してくださいよ〜。マジ心臓ドキッとしましたよ〜。」
「まあ良い訓練になったろ?ギャハハ。ホネコーね。それと今週の『ドッグボーイ』ある?」
「は〜い、ホネコーワンっすね。すぐ持っていきます〜。オレも『ドッグボーイ』ちょうど今読んでたんすよ。
かなりおもしろい記事載ってましたよ。13丁目のクラブ『cHa-0s』で死者でたそうっすよ。
あ、イヌヲさんはそれよりもどうせ『HOW TO 交尾』目当てでしょ?コノコノ! 」
「ボケェ!この社会問題に興味と関心アリアリのオレに向かってナニをいってるかな〜。
も、もちろん、そのクラブでの記事が読みたかったっちゅうねん!エロイヌ扱いすな! 」
いや、もちろんウソです。 『HOW TO 交尾』目当てでございます・・・・。イヌ丸鋭いぞ・・・。
「この13丁目のクラブ『cHa-0s』ってさ、イヌ丸が前に言っていたオススメバンドがでるところでしょ?」
「そうなんすよ!今回の事件もそのライブ中にあったらしいんですよね。
詳細はよくわからないんですが、どうもライブ中に自分でノドをカッ切ったらしいですよ。」
「はぁ?ナニソレ?ライブ中に自殺?それって1人だけ?それとも複数?」
「今回は8匹が死傷だそうです。死んだのは1匹で、残り7匹も重傷。
今までもコノ手の事件はよくあったそうなんですけど、あそこほらデンジャラスゾーンで
そういうの日常茶飯事だから今まではポリィスも目をつぶっていたそうなんですが、
さすがに今回みたいに大量に負傷者でるとそうもいかなくなったそうです。 」
「ワオ、まさにライブ会場地獄と化してるだろうな〜。コワイコワイ。そのライブやってたバンドって?」
「これ記事に書いてない情報なんですが、そこはこの元記者イヌ丸のネットワーク使えばイチコロですよ。
バンド名は『dis-0rDeR』っつーらしいです。結成は4月末でまだ新しいバンドみたいです。
ヴォーカルのヤツのワンマンバンドなんですが、そいつがすげーカリスマ的人気らしいです。
結成からまだ間もないのに圧倒的な人気を得たのはこいつのおかげらしいですよ。
毎週開かれるライブは超満員でチケットにプレミアが付くくらいらしいっすから。
んで、肝心の音楽なんですが、聞いたヤツ曰く神と悪魔が同居してるような感じらしいです。
前半部の神々しいまでの静けさと後半部の悪魔の化身としか思えないような激しい邪悪さで
聞く者をその世界に一瞬にして引き込んでしまうそうですよ。下手な麻薬より効くそうです。
「うーん、なんか大袈裟だな〜。『神と悪魔が同居』ってどんな音楽よ?
前半はゴスペル聖歌隊がでてきて、後半は生け贄使って黒ミサでもやんのかいな?(笑)」
「いやいや、イヌヲさん笑い事じゃないんすよ!マジでカルト的人気っすよ!今回の事件も
ライブでトランス状態になっている客にヴォーカルのヤツがナニか囁いたのが原因らしいですからね。」
「はぁ〜ん、そんなもんかね〜。んでさ、そのヴォーカルってナニもんよ?阿修羅男爵?(笑)」
「阿修羅男爵って古いっすよ。(笑) ヴォーカルに限らずバンドのメンバーについては
一切謎らしいです。ライブ中も暗くてほとんど顔とかわからないそうですし。だから人気も
曲とライブパフォーマンス、それにMCだけで築いたモノだそうですよ。正体についても
カルト教団のメンバーだとか、プロのお忍びバンドだとか、国の陰謀説だとか
色々言われてるそうですが、真相は誰にもわかんないらしいですけどね。 」
「なんかオマエと話してるとUFOに連れ去られそうに思えてくるわ。X-FILE見すぎ!(笑)
もう、その話はいいよ。情報サンキュ〜。ちょっと『ドッグボーイ』読ませてくれ。 」
「マジっすよ!マジ情報ばかりっすよ!まあいいっすけどね・・・・ブツブツ・・・・。」
ふぅ、やっとイヌ丸のヤロウ去りましたよ。ナニを熱く語ってんだか。んなヤバそうなバンド
どうでもええっちゅうねん。こっちは早く『HOW TO 交尾』読みたいちゅうの!イメトレしたいの!
世の中には物騒な話があるもんですね〜。ま、僕には関係ないっすけどね。ケケケ。
さて、明日のデートに向けて『HOW TO 交尾』熟読すんべ!
今日は久しぶりのデートっすよ!この間のチワちゃん変だったからちょっと心配ですけど
まあ発情期なら仕方ないっすよね!今日は楽しいといいな〜。
んじゃ、いつもの待ち合わせの喫茶ドカンへ行きますか!
あ、珍しくチワちゃんがもう来てますよ!時間にルーズなチワちゃんがどういう風の吹き回し?
まあそんなことどうでもいっか。たまにはそういうこともありますわな。たまにはね。
「チィース!お待たせ!待った?」 定番ですけど、これしか言うことないっすよね?
「あ、イヌヲ君。うんうん、ちょうど今来たところ・・・。」 ん?なんかチワちゃん顔色悪いっすね〜。
「そかそか。とりあえずホネコーでも飲む?」 ふぅ、あまり待たせなかったようで良かった〜。
「うん。飲もっか。アタシ、アイスホネオレで。」 お、「アイスホネオレ」ってなんか夏ですね〜。
「イヌ丸〜!ホネコ1とアイスホネオレ1ね!」 「は〜い、かしこまりましたぁ!」
さて、何から話しましょうかね?久しぶりだと緊張して。あ、チワちゃんが何か言いたそうです。
「この前の電話のことなんだけど・・・・怒ってる?」 おぉ!いきなりそれ来ましたか!
「いやいや、全然怒ってないよ〜。ちょっと怖かったけどね。(^^;;;」
「ごめんね〜。なんかよくわからないんだけど、最近たまにああなるんだ。」
「なるほどね〜。それってやっぱりアレ?」
「え?アレって?」
「いや、その・・・。最初に『ハ』が付いて、最後が『キ』のやつっす・・・。」
「ハとキ?ハイキ?ハッキ?ハボキ?え〜わかんないよ〜。」
「えーと、その〜、いいにくいんだけど・・・・・。ハ・・・・ツジョ・・・・・・・・ウキ・・・・・。」
「ハツジョウキ?え!発情期!!やだ〜イヌヲ君!アタシたちまだそんな歳じゃないよ〜。
アレはもっと大人になってからじゃないとならないよ〜。 キャーエッチ!!」
「ゲェ!そうなんすか!僕はてっきりそうかと・・・・・。」 ハムスタとは時期が違うのね・・・。
「ホントあの時言ったことは忘れてね。全然本心じゃないから。ごめんね。」
「うんうん!マジで全然気にしてないよ!チワちゃんも気にしないでよ!」
くぁぁ!かわいいっすよ!こんな顔で言われたら許しますよ!いや、許さざるを得ません!
これで許さないオスなんてたぶんこの近所にはいないっすよ! かぁ!ベリプリ!
(ベリプリってのは最近僕らオスイヌの間で流行ってるんす。「ベリープリティ」の略です。
新製品のお菓子だと思った人は食いしん坊っすね〜。万歳でる?(笑) )
お、ちょうど良いタイミングでイヌ丸がオーダー持ってきましたよ。ヤツもなかなかやるな。
「お待たせしました〜。ホネコとアイスホネオレです〜。あ!ガシャン!」
あっちゃ〜、皿落として割っちゃいましたよ〜。全くこのバカなにしてんだか。
「すっすいません!すぐ拭いて新しいの持って来ますんで!本当にすいません!」
「あーあー、いいよいいよ。気にすんなよ。オレ拭いとくから新しいの持ってきてよ。」
「イヌヲさん、ホントすいません。せっかくのデート中を・・・。すぐ・・・・・・」
ダンッ!!!!
「アンタ何してんのよ!!アタシのセットした毛にかかったじゃない!どうしてくれんのよ!
ちょっとここ来て土下座しなさいよ!ふざけんじゃないわよ!ほら、はやく!!! 」
げげげ!チワちゃん目が血走って鬼のような形相になってますよ。うわ、なにこれ?
イヌ丸なんかビビリまくって固まってますよ。え〜、チワちゃんってこういうキャラだったっけ?
「ちょっと!聞こえないの!早く土下座しなさいよ!しないとこうするわよ!」
バキバキバキ!!ゴスゴス!ガスガスガス!
・・・・・・。いきなりイヌ丸に殴りかかってボコボコにしてます。やべ、止めなきゃ!
「ちょちょちょっと、チワちゃんやめて!やりすぎだって!こぼしただけじゃん。」
「うるさいわね!ほっときなさいよ!こいつがアタシの毛を汚したのよ!!!
邪魔するならアンタも一緒にやるわよ!どきな!ジャマ!!!! 」
うわ、駄目だ・・・。とてもじゃないけど僕だけで止められそうもないよ。
誰かいないかな、あ!!ちょうど奥のテーブルにベンさんがいました!
「ベンさ〜ん!助けて!ちょっとチワちゃん止めて!」 ベンさんもびっくりして飛んできました。
「おいおい、なんだよこりゃ?チワちゃんってこんな切れやすかったぁ? 」
「こらぁ!ベン公!ジャマすんな!オマエもジャマするならやっちまうよ!」
ベン公って・・・。もうヤバスギ・・・・・。とりあえずベンさんが当て身で眠らせました。
「イヌヲよ〜、これマジでやばいぞ。ヒステリーとかそんなもんじゃないぜ。
病院連れていった方がいいぞ。絶対なんかやばいぞ。とりあえず家まで送ろか?」
「ベンさん、すんません。マジ助かりました・・・・・。たぶんタダ機嫌が悪かっただけだ
と思うんで。前にも似たようなのあって・・・。今日はこのまま家まで送っていきます。」
「そっか。でも一度病院は行った方がいいぞ。念のためにな。イヌ丸はオレがめんどうみておくよ。」
「お願いします。イヌ丸、すまん・・・・」
イヌ丸はボコボコで口や鼻から血を流して伸びちゃってます。ここまでやるとは・・・。
その後、チワちゃんをおぶって、店の前でタクシー拾って送り届けました。
今、チワちゃんはスースー寝てます。今改めて顔を見たら目の下に隈ができてますね。
化粧で隠してわからないようにしてたんですね。マジチワちゃんどうしたんだろ・・・・・。
とりあえず今日はこのまま帰る訳にも行かないし、ここで様子を見てなきゃ。
チワちゃんの部屋での「初お泊まり」がこんな形になるとは・・・・。
1.
日が変わってますが、12時過ぎて次の日付になっただけでまだチワちゃんの家にいます。
とてもじゃないけど、この調子じゃ心配で帰れそうもないですし・・・。
ベンさんの言っていたように、チワちゃんは病気なんでしょうか?
でも今までそんなそぶり全然なかったですよ。元気そのものでしたし。
それにチワちゃんが体が弱いなんて話も聞いたことないし・・・・。うーん。
ちょっと僕の頭ではこれ以上の考えはでそうもないので調べてみますか。
ちょっと本棚に医学書かなんかないか見てみよう。うんうん、頭いいな〜、僕って!
あ・・・・・・・。よく考えたら女の子の部屋に医学書なんかある訳ないよ・・・・。
ぐぉおお!僕ってすごくバ・・・・カ・・・なんすか?あーあー、なんかないのかな〜。
あぁあ!!!そうだそうだ!なんで今まで気付かなかったんだ!
チワちゃんパソコン持ってるんだから、インターネットで調べりゃいいんじゃん!
わーいわーい!やっぱ僕って賢いな〜。エヘヘ。一瞬でも自分の頭脳を疑っちゃったよ。
さて、じゃあパソコン起動させて、調べますか!ちょっと勝手に他人のパソコンいじるの
気が引けるけどこういう状況だしOKだよね?ねぇ?うん、許可がでたんでOKです。
え?許可は誰が出したんだって?そりゃあなた僕の心の中の天使君ですよ。ケケケ。
じゃあネットに繋いで早速「ヤッホー!」で 検索かけますか!ワードは「病気 犬」かな。
よっしゃ!これで検索!ゲゲ!検索結果多すぎですよ〜。これどれ見りゃいいんだよ・・・。
うーん、こんなときにネコでもいりゃ良いサイト教えてもらえるんですけどね〜。あぁ!
そうだそうだ!テルホ入ったしヌシのヤツのことだから、絶対今頃繋いでるはず。
僕の予想ではヤツのことだから、今頃豚風でモクモクorワイワイと打っているはず。
今までの付き合いから言ってもかなりの確立でそうでしょう。 ということは・・・。
豚風荘のソフトをDLしてきて豚風に繋げばネコに会えるはず!
うし、ソフトもインストしたし、豚風繋いで検索かけるだけです。さ〜て、いるかな?
「/w 」で検索です!あ!やっぱりいましたよ!サンマ卓で打ってます。読み通りですね。
ヤツも行動パターンが単純だね〜。ケケケ。んじゃ、観戦でネコと話に行こっと。
「お邪魔しまっす〜。うぃっす>ネコ」
「あれ?イヌヲじゃん。今日はYCQオフだからいないかと思ったよ。どしたん?」
「いや、今さ、チワちゃん家からなんよ。ちょっと大変なことになってね。
それでちょっとネコに相談しようかと思ってさ。」
「ははぁ〜。なんか大変そうだな。もう終わるし、ちょい待ってちょ。あ、それロ〜ン!
ケケケ。ちょうど終わったわさ。しかもオレの勝ちだし。キャハハ。うし、聞こうか。 」
「ケケケ。マジでちょうどだな〜。タイミング良すぎだな。それじゃどこか話せるところない?
ほら、オレ今は人のパソコンだからシロクマチャとかYCQとかないんよね。 」
「なるほど。そんじゃオレの秘密のチャット来るか?秘密っつーか、テスト用にアップして
そのまま放ったらかしにしてるだけなんだけどね。(笑) URLはここね。」
「おぉ!そんなんあったんかいな!OKほんじゃ、そこで話そう!」
〜イヌヲとネコ、秘密のチャットで落ち合う〜
「すまんの、突然。麻雀のお楽しみ中だったのに。」
「うむ。気にすんな。で、チワちゃんがどうしたって?」
「うん、実はチワちゃんがやたら切れやすくなってさ〜、ついさっきもちょっとしたことで切れて
喫茶店の店員をボコボコにしたんよね。普段はそんな子じゃないんだよね〜。 」
「切れやすい?つまり攻撃的になったってことか?うーむ、それだけだと原因は
いろいろあるだろうから特定は難しいな〜。単に発情期やストレスかもしれんし。」
「うんうん、そうなんよね〜。オレもさっき調べたんだけどさ、攻撃的つーだけじゃ絞りきれないんよ。」
「あのさ、なんか思い当たることないん?変なモノ食ったとか、薬やってるとか、そういうの。」
「うーむ、チワちゃんって薬やったりするような子じゃないしね〜。変なモノ食ったっつっても
あんなに攻撃的にはならんような気もするしな〜。心当たりないな〜。 」
「ふむ、なるほど。そうだ、確か今チワちゃんのパソコンからっつったよな?そしたらメール見れば
何かわかるかもしれんぞ。気が引けるけど、今はそれしか手がないし、気にしてる暇ないぞ。」
「ゲェ!そう来たか・・・・。まあ確かにそれしかないな〜。チワちゃん全然起きないし・・・。
うーむ・・・・、やっぱそれしかないか・・・・・・。チワちゃん、ごめん、ちょっとだけ見せて! 」
「見るのはチワちゃんが変になった前の数週間だけにしておけよ。それ以上はプライバシーの
侵害だべ。まあ薦めたオレがそんなこといっても説得力ないけどな。ケケケ。」
「わかってますがな〜。ほんじゃ、ちょいと調べるから待ってちょ。」
んじゃ、メーラー起動させて、ちょいと見させて頂きます。チワちゃん許してね。
うーん、別に特に変わったことはないな〜。大体がメス友達とのたわいのないメールですし。
買い物行ったとか、友達の彼犬がどうだとか、昨日のTV番組とか、一緒に行ったライブのこととか・・・。
ん?ライブ・・・・。なんか引っ掛かるな・・・・・。しかもそのライブでトランス入ってるメスイヌに
引っ掻かれたとか書いてあるし・・・・。トランス・・・・・・?ライブ・・・・・・?
バンド名は 『dis-0rDeR』ね〜。どっかで聞いたことあるぞ・・・・・・。
あぁ!思い出した!これって前にイヌ丸が言っていたクラブ『cHa-0s』のヤバメの人気バンドじゃん!
なぜチワちゃんがこんなバンドのライブに行っているんだろう?ポップなやつしか聞かないはずなのに。
「・・・・う・・・・うーん・・・。ゲホッゲホッ・・・・・。ここ・・・・どこ?」
あ!チワちゃんが気が付いたようです。落ち着いてればいいんだけどな〜。
「あ、起きた?ここはチワちゃんの部屋だよ。オレが送ってきたの。覚えてる?」
「ううん・・・。全然。イヌ丸が皿を割ったところまで覚えてるんだけど、それから先は
カァ〜となっちゃって何も覚えてないの・・・。アタシなんかやばいこと・・・した? 」
「う・・・うん。まあ、覚えてないならいいよ。チワちゃんちょっと病気かもね。それで悪いとは
思ったんだけど原因調べるためにメール読ませてもらったんだ。クラブ『cHa-0s』行ったの?」
「え・・・、メール読んだの・・・・。でも病気調べるなら仕方ないか・・・・。クラブ『cHa-0s』はね、
なんか前にイヌ丸にイヌヲ君が好きそうなバンドが出てるって聞いていたんだ。だから、イヌヲ君の
好きなのアタシも好きになろうかと思って行ってみたの。そしたら何か変なことなっちゃって・・・。ゲホッ!」
「ゲゲェ!そうなんだ!うわぁ〜なんか感動しちゃったよ!ライブはどうだった?詳しく話して。」
「うん。アタシあまりああいうの好きじゃないし、周りも恐そうな人ばかりだったんだよね。でもなんか途中で
煙がモクモクして来てボーっとなったんだよね。それからライブが始まったらなんか訳わかんなくなっちゃって。
やたらテンションあがっちゃったの。あんなこと初めてだったからびっくりしちゃって。その時に引っ掻かれたの。
ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!」
「チワちゃん、大丈夫!今水持ってくるよ!ちょっと待ってて!」イヌヲ、脱兎のように水を汲みに行く。
「はい、水持ってきたよ!とりあえずこれ飲んで。背中さすろっか?」
「あ、ありがと・・・。ゴホッ!ゴホッ! ゴクゴクゴク・・・・ブハッ!ゲホッ!ゲホホッ!」
ゲゲ!チワちゃん水吐いちゃいましたよ。なんじゃこりゃ?なんで水飲めないの?えーーー!!
「チ・・・チワちゃん!水は置いておいてもう休んだ方がいいよ。オレ背中さすってるから眠りなよ。」
「う・・・ん・・・・。ゴホッ!イヌヲ君、アタシ・・・ゴホッ!もう・・・・ヤバイの?」
「全然そんなことないよ!起きたら一緒に病院行こうよ!オレ付き添うから!」
「いろいろありがと・・・・。もう寝るね・・・・・・・・。スースースー」
どうやら僕が考えていたよりも事態は深刻なようです・・・・。
とりあえずネコにこれを報告して相談しよう。ヤツも待ってるでしょうし・・・・。
なんかすごく嫌な予感がします・・・・。不安だ・・・・・・・・・・。
とりあえずネコを呼びますか。まさか豚風で打ってるなんてことはないよね?
この非常時にそんなことしてたらサクッといっちゃいますよ?
チャットで声かけてみましょう。「おまたせ!ネコいるかぁ〜!」
ん?レスないですね・・・・。あれから数時間経ってるし仕方ないか・・・・。
ちょっと待ってみますか・・・・・。〜5分ほどしてネコからレスくる〜
「ワリワリ、あまりにも待ち長かったから豚風で打ってたんよ。暇で暇で。っつーのはウソよ。(笑)
実は病気についていろいろ調べて回っていたんよ。おかげでかなり病気詳しくなったよ。
そっちはどうだった?収穫あったか?」
「打ってたって聞いたときは、一瞬殺意が芽生えたよ。(笑) こっちは悲惨だったよ・・・・。
とりあえず原因らしきモノも特定できたんだけど、チワちゃんに水飲ませようとしたら吐いて飲めないの。
マジでなんかヤバイ病気かな〜って思ってすげー落ち込んじゃったよ・・・・。はぁ・・・・。 」
「え!水が飲めなかった?おいおい、それマジか?んで原因らしきモノって何よ?」
「マジマジ。ウソついてもしょうがないじゃん。それにそんな気力ないよ・・・・。原因はね、 ライブに
行ったときに引っ掻かれたみたいなんよね。おそらくそれが原因かと。他には怪しいところなかったし。」
「え!ライブで引っ掻かれた?どのバンドのライブよ?」
「『dis-0rDeR』ってバンド。クラブ『cHa-0s』に出てる人気バンドらしいよ。知ってる?」
「・・・・・・・。『dis-0rDeR』、水が飲めない、引っ掻かれた・・・・。マジかよ・・・・・。オマイガ!」
「えぇ!ネコなんか知ってるんか?おい!教えてくれよ!なぁ!なぁ!」
「これはかなりヤバイぞ・・・・。覚悟して聞けよ。いいか? この3つから導き出される答、
それはズバリ『狂犬病』だな。狂犬病って知ってるか?ウィルス性の病気で発病すると
ほぼ100%死に至る病気なんよ。毎年1回のワクチン摂取をしていれば防げたんだが・・・。」
「えぇ!狂犬病!マジかよ!!!!!100%死に至る?ぁあ?フザケンナ!!!」
ダンッ!!! 〜イヌヲ、パソコンが置いてあるテーブルを思い切り叩く〜
「イヌヲ、落ち着けよ。今さら騒いでもどうにもならん。とりあえず今すぐ病院行け。
医者の診断を待ってから判断しろ。でも残念だけど、これはほぼ間違いないと思う・・・。 」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。マ・ジ・カ・ヨ・・・・・・・。ウッ・・・ウッ・・・ヒックッ・・・・・。」 ブツッ!
〜イヌヲ、いきなりパソコンの電源を切り、チャットから抜ける・・・・ 〜
土砂降りの中、チワちゃんを連れて病院へ行って来ました。
やっぱり診断はネコの言ったとおり狂犬病でした。医者が言うにはやはり狂犬病には
特効薬はなく治る見込みは奇跡でもない限りないそうです。不治の病ってことです。
それで現在の狂犬病患者の治療法としては、「隔離、様子観察、安楽死」だそうです。
それでチワちゃんも狂犬病と診断された後、ただちに隔離病棟に入院させられています。
隔離病棟の入院患者には家族でもない限りほとんど会うことは許可されません。
医者が言うには、チワちゃんの症状は狂犬病が発病して、すでに末期に近いそうです。
狂犬病の特徴的な「狂水発作(水が飲めない)」まで起こしていることから、
後は全身麻痺を起こし、脳がウィルスに侵され死に至るのを待つだけだそうです。
チワちゃんの余命は「もって1週間」というところだと言ってました。
一体僕はどうしたらいいんでしょう?
ウ〜ィ、ヒック!ウ〜ィ、ヒックヒック!ゲェ・・・・。
昨日は病院から帰ってからずっとカルーアを食らってました、しかも瓶で。おかげで僕のストック
していたカルーアが5本も空いて、その上猛烈な頭痛と吐き気に襲われています・・・。
さらに一晩寝たのに未だにアルコールが抜けてません。これってまさに2日酔いでしょ。
あー、マジどうすりゃいいのかわかんないよ!!とりあえず麻雀でもすっか!ウ〜ィ、ヒック!
さて、さて、酔っぱらってフラフラしてますが、麻雀ぐらいできるっしょ。
どうせ僕には何もできないしね・・・。シクシク・・・。 ウ〜ィ、ヒック!
あ、カルーアもまだ瓶に3cmほど残ってますよ。これ飲みながら打とっと。キャハハハ!
んじゃ、ネット&豚風繋いでっと・・・・。相変わらずバカドモがいっぱいいますわ。
ホントこいつら他にすることないんですかね〜。オナって寝ろよな。ギャハハハ!ウ〜ィ、ヒック!
さて、ちょいとこの寂しいバカドモ揉んでやりますか!つっても僕弱いけどね〜。 ケケケ!
だから逆に揉んでちょうだいな!揉んで♪揉んで♪×6、触って♪触って♪×4、触〜る♪ってかぁ。
あいや!いきなり倍満貫振り込んじゃいました〜。あちゃーどんどん取って♪ ウ〜ィ、ヒック!
ん?なんか相手が文句言ってます。なになに、「早く打て。ウスノロ」ですって!キャーキャーコワイ!
「ウスノロ」ですって! キー!このイヌヲ様にウスノロなんて舐めたこと言ってくれますよ。ウ〜ィ、ヒック!
こりゃケンカだ!ケンカだ! 火事と喧嘩は江戸の華でぇ〜い!売られた喧嘩は買わなきゃ男が廃る!
この桜吹雪入りの紋所が目に入らなんか!ってかぁ〜。ウ〜ィ、ヒック!
オラァ!開戦じゃぁ!パールハーバー、アゲインじゃ! ギャハハハハハッハアハ!
「バ〜カァ!何がウスノロだ、このタコ!テメーの打ち方が臭すぎて鼻抑えてたんじゃ!ボケェ!
ホラホラ、来いよ、食いついて来い、お前もケンカしたくてしょうがねーんだろ?このイヌヲ様が相手
してやるからかかってこいよ。別に来なきゃ来ないでいいぜ〜。さてはお前粗チンだろ? 」
「はぁ?なんだお前マジでイカレてるな。氏ね!」粗チン君が言い返して来ましたよ。「氏ね」って・・・ププ
「氏ね?なんだそりゃ?どう読むんだ?何で『死ね』じゃなくて『氏ね』なんだ?説明してみ。
このアングラ気取りの厨房君がよ〜。粗チンで厨房って最悪だな。キャハハハ! 」
「粗チン粗チンってお前オレのブツ見たのかよ?見てもいないのに勝手に言うな!殺すぞ!」
「キャーコワ〜イ。殺されちゃうよ〜。殺してくれるのはいいから、まず氏ねってどういう意味なのか
言ってみろって。なぁ?まさか意味もわからず使ってるなんてことないよな〜。粗チン君♪ 」
「うっせーよ!知ってても誰がお前に教えるかよ!自分で調べろよ!」
「あらぁ〜、痛い交わし方するね〜。ホントにわからないのバレバレじゃ〜ん。ダッサ!さすが粗チン!」
「バ〜カ!何度もいわせんなよ。わかるっていってんだろ!」
「何度もいってないじゃん。粗チン君が知ってるなんて今初めて聞いたよ。分裂症かぃ?(笑)」
「誰が分裂症なんだよ!正常だよ!勝手にキチガイにすんな!粗チン粗チンってうるせーぞ!」
「粗チン君〜。いちいち「!」つけないでよ〜。そんなに否定されると替えって粗チンだって証明
してるようなもんだよ。それから『氏ね』の説明は?できないなら3回回ってワンっていいな。
それで勘弁してやるから。キャハハ」 もうシメかしら?弱いね〜。歯ごたえなさすぎ。
スルメになれとはいわんけど、せめてガム程度にはなれ!ケケケ。ウ〜ィ、ヒック!
「誰がそんなことすっかよ!ふざけんなよ、このイカレ野郎!」
「もうつまんないよ、粗チン君。その手の罵倒文句は聞き飽きた。早く説明or3ワンしなよ。
ホーラ!3ワン!3ワン!3ワン!3ワン!3ワン!3ワン!3ワン!3ワン!3ワン!3ワン! 」
「イヌヲ!何こんなところで油売ってんだよ!こんなところでケンカしてる場合じゃねーだろ!」
あ、ネコが観戦で来ましたよ。なんでここがわかったんだろ? まあいっか。
「ネコ、いいところなんだから邪魔すんなよ。もうすぐこのバカシメ終わるから、その後打とうぜ。
ほら、粗チン君、先がつまってるから早く3ワンして抜けろや。キャハハハハ! 」
「おい、コラァ!そんなことしてる暇はねーっつってんだろ!チワちゃん死ぬぞ!
狂犬病の末期なら1週間もたないんだから、今死んだって不思議じゃねーんだよ!
お前こんなところでバカ相手にしてる暇あんのか?そんな暇あったら病院行けよ! 」
「あぁ?バカ?おい、なんだテメー、いきなり観戦してきて好き勝手言いやがって!」
あら、粗チン君が僕に敵わないと思ったら、今度はネコに噛みついてますよ。あーあー。
「あら、失礼。今、ちょっとイヌヲに大事な話があって来たんだ。こっちもちょっと興奮してるから
失礼があったら謝るよ。今は君のストレス解消だか暇つぶしだかに付き合ってる暇ないのよ。
もしオレとケンカしたいなら、いつでも呼んでよ。YCQの番号は*******だからいつでも来て。
それか、次から豚風繋いだときに君のHN検索してケンカしよか?毎日必ずケンカ売りに
行ってあげるよ。必ずね。どっちでも好きな方選びなよ。どっちにしろ地獄よ〜♪
それが嫌なら今すぐ消えてくれないかな?ケンカは君の勝ちでいいからさ。よ、ウィナー!」
「わ、わっかりゃい、い、いのよ。オレの勝ちだな。じゃじゃあ二度と顔み、、、見せんなよ!」 ブツッ
粗チン君抜けちゃいました。あーらら、バカがイキがるから。ダサダサ。
「なんだよ、ネコ。せっかくのお楽しみを取っちゃってさ。あの粗チン君ダッサ〜。」
「アホか。お前の方がヤツよりよっぽど粗チンだぜ。彼女が病床に伏してるってのに、
お前は麻雀打って酒飲んで現実逃避かよ。それが粗チンじゃなくてなんだ?
チワちゃんのこと考えたのか?今あの子がどれだけ寂しく不安かわかってるか?
しかもあの子が感染したのは、お前の好きな音楽を自分も好きになりたいと思いライブに
行ったからだろ。言ってみりゃお前のためだぜ?そんな彼女にお前は何をした?なぁ? 」
「・・・・・・・・・・」
「オレの言いたいのはそれだけ。後はお前次第だよ。残された時間は少ないぜ。じゃあな。」 ブツッ
わかってるよ、そんなこと言われなくても・・・。 ネコの言うことは全くの正論だよ・・・。
でもそれを、「チワちゃんの間近に迫った死」を認めるのが恐かったんだよ。
僕もオスだし、そろそろ現実と立ち向かわなきゃ駄目だね。今回はっきりネコに言われて
覚悟できたよ。残り少ない時間をチワちゃんのそばについていようと決めたよ。
例えそれで僕がウィルスに感染しようが構わないよ。
さて〜、冷水シャワーでも浴びて病院行くか!
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