「夜釣りの声」

昔、自衛隊 高射特科にいた頃、年に何回かは
対空実弾射撃のために静内の対空演習場に行きます。
入隊後まもなく、初めて行ったときに経験したときのことを書きます。

海を右側にして国道235号線をJR日高線に沿っていくと、静内自
衛隊駐屯地の向かい側の海に面して対空演習場があります。
海に向かって ラジコンの飛行機を飛ばし、それが引っ張っている
吹き流しの的に向かってスカイスイーパーという朝鮮戦争時代の
払い下げ品の対空砲で実弾射撃するのです。
まあ、すごく子供じみてはいるのですが、本物を打つことなど
不可能ですのでこの程度が最高なのです。
(それでもなかなかあたらないのが実情です。(笑)
24時間体制で警備していますが、消灯後からは起床まで、
上官と二人一組で 2時間おきの交代で弾薬庫側の歩哨に立ちます。

その夜は満月で月明かりで遠くまで見渡せる、風もない穏やかな夜でした。
たしか、0時から2時までの歩哨のときだったと思います。 交代者から
「異常なし」で申し送りされたのですが、同僚から、「風もないのに弾薬庫
のシートがめくれる音がしたり、歩哨庫(歩哨庫とはいっても、一人しか
入るスペースのない緊急電話連絡用に作られたところです。)から
変な音がするので気おつけろ」と言われたのですが、潮騒の音と
聞き間違ったりしたのだろうと気にもしてませんでした。

異常も起こりそうもない雰囲気の中、歩哨庫の外で二人して2時の
交代の時を待っていたのですが、歩哨庫の中で「ガタン!!」と、
突然何かが落ちる大きな音がしたので見てみても、落ちたものも、
落ちそうなものも何もなかったのです。この音は上官も聞いています。
バサバサと弾薬庫のほうから音がするのですが、シートがめくれて
いる様子もないし、強い風も吹いていない。見に行くと音がやむのです。
そのうち、海岸のほうを波打ち際に沿って3.4人の人が話しながら
近づいてくるのがわかりました。 土盛りがして土手になっているため、
こちらからも直接は見えませんが、その雰囲気が伝わってきます。

私「こんな時間に夜釣りでしょうか?」
上官「そうだな、満月なので釣りにでも来たのかな」

話し声はどんどん近づいてきて、ちょうど私たちの線上
(距離にしたら200メートルぐらい)の波打ち際でとまりました。
その位置から動かずに話し声が続きますが、人数的なものは
わかるのですが、はっきり聞こえるワリには内容はわかりません。

私「あれ、ここで釣りをするんでしょうか?」
上官「様子を見て、移動しないようならば ここでの釣りは遠慮してもらおう」

と言うことになりしばらく声を聞いていたのですが、
動きそうにもないので海岸の見える位置まで二人で行ったのです。

満月の明かりで海岸線を見渡せるほどでしたが、誰もいませんでした。
声も消えて、潮騒が申しわけなさそうに小さく鳴っていました。
二人とも「あれ〜?」と言う感じでしたが、直接見たりしたたわけでは
なかったので、怖さはありませんでした。
なんだったんだろう?と考えていると、海のほうからの土手から陣地内
のほうに 直径にしたら80センチ弱の青白くまぶしく光る玉が、
フラッと浮きながら土手を下り、そのまま地面を3メートルぐらい移動して
吸い込まれるように消えました。 上官も見てはいましたが、はじめて
みたと言うことで、正体はわかりませんでした。
それを 火の玉と言うのかもしれません。
大槻教授に言わせると、「プラズマだよ」と言うに決まっていますが・・・・(笑)

皆さんにとって見れば、目の錯覚と、聞き違いだよ・・・と言うかもしれません。
私も皆さんの立場でしたら同じ意見ですが、これは上官と私と、見違えや、
聞き違えることなく、同じ体験をしたこと言う事実の話です。


  おしまい   

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