「陸自15連隊の怪」
恐怖の実話怪談です
昭和56年 香川県善通寺 第15普通科連隊 第4中隊 4月
時は、春の前段休暇中にて中隊員数半分状態、私は、春の満期退
職5日前でした。
娯楽室の深夜番組が終了し居室に戻ると、休暇中のS士長の
ベッドに、上下黒ジャージの誰かが、ぼんやりと座っていました、
気にはなったのですけど、早く寝ないと明日大変なのでいそいで、
出入口すぐ横の2段ベッドの上段に潜り込みました、
でも、なかなか寝付けません、ふと、さっきのは誰?の方が気に
なり始め益々寝られません
ですから、体を起こしてS士長のベッドを見下ろした所、
誰も居ないのです、さっきのは
気のせい?でもやたらと、何かの視線を感じるのです、
で、横を見ると、ベッドの横に、さっきの上下黒ジャージの
誰かが私を凝視しているのです、
「誰?」と聞いても返事はありません
妙だとは、感じつつ、体を反転し毛布を被って寝る努力を
始めたのですけど、更に眠れません
で、壁に鏡がかかってましたので、その誰か?が、まだ居るのか、
覗いてみたら、誰も写ってないのです
やっぱり 気のせい? で
体を反転させた所、そいつは、まだ、そこにいたのです、
今度は、目と目がもろ合ってしまいました、
しかも、薄明かりで、そいつは、凄まじい形相で、こちらを
睨みつけているのです、もはや訳の分からない
パニックに陥り、急いで体を反転させ、毛布を被り、
朝まで一睡も出来ず氷ついてました。
話は、まだ続きます、
翌朝、ベッド下段のS士長の「お前は、ベッドの上から、
体を乗り出し逆さまのまま、
何故 一晩中俺を覗いていたんだ?」には、ゾッとしました
やっぱり この世の者ではなかったようです。
その日から、私は、娯楽室や、隣室の空きベッドで眠っていたのは、
言うまでもありません
その後も、その居室では、先輩2人が、人玉を見たと、騒いだり、
窓やロッカーが自然に開いたり整頓してある毛布や枕が床に落ちて
たりとか、深夜に妙な物音とか妙な事が続いたのです。
で、私は、その5日後、満期退職したのですけど、
それから1年後、
1週間の休暇が終わってもS士長は、帰らず、10日目に、
自宅付近の川原で、原付で、陸橋につっこみ、首を折って
亡くなられた事を聞きました、
借金で首が回らなくなってたそうです。
もしも、未だに陸自15連4中の居室で、妙な怪現象が、
続いてたら、それはS士長です。
後日談です、私の退職後、数ヶ月、後に入った、1士の新隊員は
精神に異常をきたし、病院へ送られたらしいです。
その営内班の先輩2人も、満期ではなく、何故か依願退職してます。
2段ベット、上の私、と下のS士長の目撃した、
上も下も上半身の男?は、今思うと、
自殺されたS士長の顔では無かったように記憶してます
していいうなら、「リング」で真田ひろゆきを、睨んでた、
貞子を角刈りにし貞子のあの目を上目遣いにしたような、
というのがぴったりの形容です。
ちなみに、自殺された、S士長は、高知県出身の方で
高知県は、藁人形、式神、陰陽道、呪阻返し、などの、発祥の地です。