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イヌヲのアングラ日記   イヌヲバナー カウンタ

「イヌヲ、ネット詐欺と戦う!【3】」


10/8 クモリ

実は週末に何度か『極悪詐欺師被害者の会』のブルルさんとメールでやり取り
しまして、その結果、彼を信用して一緒に追い込みに行くことにしました。
なんでも、彼もイヌ丸と同じヤツに騙されたそうです。しかも、『プナダのホネ』で
イヌ丸と競り合ったとか。その詐欺師もまた巧いもんで、落札した人だけじゃなくて、
結構競り合った人には全員に「その値段でOKです」と言って詐欺を働いていたそうです。
そりゃ競り負けた人はラッキー♪と思って飛びついちゃいますよねぇ。巧みだ・・・。
とりあえず、決行日は明日なんで、イヌ丸もバイト休ませて連れていくことにします。

さてさて、どうなることやら・・・。

イヌ丸の件は、なんとかなりそうなんでちょっとホッとしました。
つーことで、息抜きに豚風行って打ちますかいな!やっぱ遊びも大切ッスよ!
さて、豚風入ってっと。うーん、混んでるなぁ。それに1人で打つのもなんか
味気ないし、誰か誘うか。YCQONにしよっと。前ならこういう時はネコがいたんで、
麻雀相手に困ることもなかったんだけどなぁ・・・。ネコどうしたんだろ・・・。

あ!!ネコいますよ!
でもなぁ、また知らない人だったらと思うと声かけずらいなぁ。
えーい!ダメモトでとりあえずメッセージ送ってみるか!

・・・・・。返事ないです・・・・。はぁ、やっぱダメか・・・。

         〜5分後〜

あ!鳴きました!鳴きました!「カッコー」と鳴きましたよ!
ナニナニ・・・・。
「ヒサシブリ!まだ生きてたんだな〜。オレはてっきり後追い自殺でもしたんかと思ったわ(笑)
ヒサシブリのところ悪いんだけど、今取り込み中で手が放せないんだわさ。またな!ワリ! 」

おぉぉぉお!ネコ生きてたんですか!
バカヤロォ!そっちの方こそ死んだんかと思ったちゅうねん!
ま、ちゃんと話せなかったのは残念だけど、とりあえず生きてたんで良しとしますか!
うーん、それならこの前の対応はなんだったんだろう・・・・。
次はそのこと聞いてみるか。気になるし。

さて、明日の準備でもして寝るか。


10/9 カイセイ

【1】

ウッシャ!今日は快晴、良い追い込み日和だ!ケケケ
クソッタレ詐欺師ヤロウ、キッチリ追い込んでみせますよ!
つーか、僕らはついて行くだけなんですけど・・・(笑)
ブルルさんとは、喫茶『ドカン』 で待ち合わせしてるんで、早めに行って待ってよ。
やっぱ、そのくらいの心がけは必要だよね!

「チィッッッッッッッス!イヌ丸準備した?」
「あ、イヌヲさん、ドモッス。ちゃんと準備しましたよ〜。それにしてもこんなに
早く解決するかもしれないなんてイヌヲさんに頼んで正解でしたよ!」
「いやいや、世辞はよさんかい、エヘヘ。まあ、オレは何もしてないけどね。
『極悪詐欺師被害者の会』のブルルさん来たらソソウのないようにな。それが心配。」
「何言ってんですか〜。僕は仮にも元新聞記者ですよぉ。3流スポーツ紙とはいえね。
そのくらいの社会常識は持ち合わせてますって。イヌヲさんと一緒にしないでくださいよ。」
「ハイハイ、その元新聞記者さんが、なんでまたこんなことになったんだろうねぇ。
ちょっとした社会常識さえ身につけてれば、こんなことにならなかっただろうにねぇ〜。」
「うっ・・・・・。それを言われると・・・・。」
「ボケェ!わかったらソソウのないようにしろよ!やったら即鼻パンな!」
「わ・・・わかりましたよ〜。まったくすぐ怒るんだから・・・。ブツブツ・・・・。」

あ、誰か入ってきましたよ。なんかイカツイ犬が2匹来ました。まさかアレではないよなぁ。
ブルルさんは、メールではすごく紳士的な対応だったしね。だから僕の読みでは、
『スーツに7:3の真面目なリーマン』ルックな感じだと睨んでます。
だって、今来た2人なんて、明らかに『パンクス』です。だってモヒカン×2ですよ。
しかも体中にケトゥ(イヌ版タトゥ、一本一本毛を染めて絵を描く)は入ってるし、
チ○ポには真珠でも入れてそうな雰囲気です。 あ、それは893でした。
僕の読みでは、おそらくこの2人はバンドメンバーとの待ち合わせですね。
音楽的不一致なんかでメンバーが抜けて、雑誌やネットで募集したメンバーと
ここで初顔合わせってところでしょうな。だから、もうちょいしたら、同じようなパンクスが
また来ますよ。たぶん合言葉は、 「シド」と「ビシャス」ですね。んで、「アナーキー!!」
とか叫びながら早速音合わせとかしに行くと思いますよ。うーん、なんかそんな光景が
まざまざと想像できるなぁ。ここまで読めるって僕って名探偵の素質アリ?(笑)

うーん、それにしてもブルルさん、遅いなぁ。とっくに待ち合わせの時間過ぎてるのに。
ん?なんかさっきのパンクスがガンつけてきてますよ。あっちゃ〜、こりゃトラブルかぁ。
これからトラブルが待ってるのに、こんなところで揉めるのダル〜。目を伏せとこ。
ゲゲェ!こっち来ますよ!洒落にならんなぁ。石だ、石、地蔵になろう!

「ちょっとすいません。ひょっとしてイヌヲさんですか?」
「・・・・は?えーと、ひょっとしてブルルさん・・・・ですか?」
「はい、そうです。初めまして。極悪詐欺師被害者の会、代表のブルルです。
隣のこいつは、代表補佐のルドッグです。あまり時間もないですし、早速行きましょうか。
お互いの詳しい話や打ち合わせなんかは、道中ですることにしましょう。 」
「は、、、、はい。わかりました。じゃ、行きましょう。イヌ丸、行くぞ。」


【2】

「イヌヲさん、僕らのことわからなかったですか?」
「え・・・えぇ。ちょっと、いや、かなり想像と違っていたもんで・・・。」
「ハハハ、皆さん、よく言われますよ。もっと堅そうなイメージだって。
僕は見た目の通り、本業はバンドマンです。『極悪詐欺師被害者の会』、
略して『極詐欺』はボランティア団体なんですよ。元々、僕の彼女が騙された
のが結成の理由なんです。身内の恥を晒すようでお恥ずかしいですが。」
「ははぁ〜、なるほど。僕もブルルさんはパンクスじゃないかと睨んでたんですよねぇ。
でもメールでやり取りした印象とあまりにも違ったんで、わかりませんでした。」
「でしょうね〜。僕はネットだとなぜか妙に礼儀正しい人間になるんです。
ネットって顔を見えないのを良いことに、マナーのないヤツ多いでしょ?そういうの
許せないんですよ。言いたいことあるなら、現実でガツンと言うべきでしょ。
その点、僕は日々バンドで発散してるので、ネットでは紳士でいたいと思ってます。」
「おぉおぉ〜、紳士ですか!そんな言葉ヒサシブリに聞きましたよ!
ブルルさんのアティテュード、カッコイイッスねぇ!今度、ライブ行きますよ!」
「そんな誉めないで下さい、照れますんで。僕はおだてられると木に登りますよ(笑) 
今度ライブの日程メールでお知らせしますんで、良かったら遊びに来て下さいね。」
「あ、そんな話してるうちに、着きました。あそこがヤツの家です。」


【3】

「おぉ、もう着きましたか。で、これからどうします?すぐ踏み込みます?」
「いや、ちょっと様子を見てからにしましょう。まずいるかどうかだけ確かめましょう。」
「なるほど、慎重に行くんですね。じゃあ、僕がチラッとのぞいてきますよ。
ブルルさんたちのナリだと、ちょっと目立ちすぎるんで・・・(笑)」
「お願いします。それがあってイヌヲさんたちを誘ったのもあるんです(笑)」

ふーむ、部屋の電気は付いてないし、外の電気メーターの回り方から考えても
留守の可能性あるな。一応、ドアに耳付けて中の様子を伺ってみるか。

        ・・・・・  シーン  ・・・・・

うん、こりゃ間違いなく留守だな。帰ってブルルさんに報告だ。
こりゃ長期戦になるかなぁ〜。このままずっと帰ってこなかったらどうしよ・・・。

「たぶん留守でした。待ちます?」
「うーん、そうですね〜。それしかないですね。気長に待ちますか。」
「イヌヲさん!こういうのって刑事みたいでワクワクしますね!」
「バカ!下らないこと言ってんな!お前は緊張感がねぇんだよ!」
「あ、すいませ〜ん。だって僕昔は警官なるのが夢でして、つい・・・。」
「ハハハ、おもしろい方ですね。そちらの方が騙されたんですか?」
「えぇ、そうなんですよ。こいつ、イヌ丸ってんですけど、ホントアホで・・・。」
「いやいや、この差し迫った状況で、あんな冗談が言えるなんてユーモアの
センスありますよ。普通はピリピリしてる人が多いですからね〜。」
「でしょ!でしょ!やっぱ僕のセンスわかる人にはわかるんですよ!
どうっすか、イヌヲさん!ちょっとは僕のこと見直したでしょ!でしょ!」
「ブルルさん、こいつバカなんであまりおだてるのは・・・。(笑)」
「ですね。私も反省しました(笑) このまま待ってるのも暇なんで、麻雀でもどうです?
カードタイプのポケット麻雀持ってきてるんですよ。ちょうどメンツも4人ですし。」
「おぉ!いいッスねぇ〜。やりましょ、やりましょ。でもちょっと金ないんで、賭けは・・・。」
「お互い騙された者同士ですから、傷口に塩を塗るような賭けはしませんよ。
暇つぶしにやるだけですので、ご安心を。私も金は全然持ってきてないんで(笑)」

     〜イヌヲら麻雀で大いに盛り上がるが、
            詐欺師は一向に帰って来ず、時間だけが経っていった〜

あ・・・・、ついに12時回りましたよ。
おいおい、何時間ここで待ってんだろ?
まったく、クソッタレ詐欺師ヤロウ、こんな遅くまで何してやがんだ?
まさか、騙し取った金でキャバクラでも行って豪遊してんじゃないだろうな〜。
マジそれだったらブッコロス・・・・。必ずヤルぞ・・・・・。


10/10 クモリ

あ、そうだそうだ!ちょうど時間もたっぷりあるし、
ブルルさんにどうやって追い詰めたのか聞いてみよう。
「え?どうやってここを知ったのか、ですか?うーん、それトップシークレットなんですよね〜。」
「ブルルさん、そこをなんとかお願いします!二度と被害に遭わないためにも、ゼヒゼヒ!」
「そこまでお願いされると困っちゃいますね。いいでしょう。教えますよ。」
「おぉぉ!ありがとうございます!すっごい感謝感激雨嵐、地震雷火事親父です!」
「最後のところが気になりますね(笑) まあ簡単なんですけど、メールから辿ったんです。」
「え?メールですか?それ僕もやったんですが、ヤツはフリーメール使ってたんでダメだったんですよ。」
「うんうん、確かにフリーメールでしたね。そこで諦めるのはまだ早いです。そしたらそのフリーメールを
提供してる業者に『御社のサービスを使って詐欺を働いてる奴がいます。私は被害者から雇われた
弁護士です。詐欺師逮捕のために、ヤツがどこから繋いでいるかログを調べてくれませんか?』
と、お願いしたんですよ。」
「え?ブルルさんって弁護士なんですか?」
「いやいや、違います。最初に話したように本職はバンドマンです。
だから真っ赤なウソです。昔から『嘘も方便』といいますし(笑)」
「キ・・・キタネ、いや、賢いッス!なるほど、そんな方法があったのかぁ〜。
でも普通はプライバシーがなんちゃらとか言って拒否されません? 」
「そこが弁護士を出した理由です。『ログを提供しなかったら御社も犯人隠匿で訴えます』
と、さり気なく書き添えておくと効果絶大です。根性のない業者はこれで出しますよ。」
「はっはぁ〜。そんな手があるんですかぁ。で、その後はどうするんですか?
それだと相手のプロバがわかるだけですよね?」
「これと同じことを今度はプロバ相手にすればいいだけですよ(笑) 
でも、プロバはもうちょい手強いです。一応通信業者で認可も取ってますから。」
「なるほど、じゃあ拒否される場合もあるんですね?」
「えぇ、大手だとかなりの確率で拒否されます。」
「じゃあ、ブルルさんはどのようにそれを解決したんですか?」
「簡単です。内部から情報を引き出せばいいのです。つまり、スパイをさせるってことです。」
「えぇ!スパイッスか!なんかいきなりすごい世界に入ってきましたねぇ。ちょっと恐いッス。(^^;)」
「ハハハ、スパイっていうと大袈裟ですが、単にバイトや派遣社員にデータを盗ませるんですよ。」
「一応、僕はこういう団体をやってる関係上、どこのプロバにも大体協力者がいるんですよ。
やはりいくらプライバシーとはいえ、詐欺師を守るのは変だと考えてる犬がいるってことです。
いってみれば、彼らは“善意の協力者”ですね。僕を信じてくれてるんです。悪用しないと。」
「ほほぅ〜、そんな犬脈があるんですか。さすがですねぇ。確かに犯罪者の人権を守って、
被害者を泣かせておくってのは変ですもんねぇ。なるほど、なるほど、勉強になりました。」
「あ、もうこんな時間だ。すでに『草木も眠る丑三つ時』過ぎてますねぇ。
今日はこの辺で解散にして、また明日ここで張ることにしましょうか。 」
「賛成です。さすがにこれじゃ体が持ちませんし。
では、明日の夕方、またここでってことでいいですか?」
「はい、OKです。では、帰りましょう。」
「おい、イヌ丸、起きろ!帰るぞ!パンパンパン!」
「相変わらず楽しい方ですね(笑) では、明日。」

はぁ・・・・。チキショー!
せっかく犯人のガサまでわかったってのに、手ぶらかよぉ!
明日こそ、絶対に追い詰めてやる!


10/11 ドンヨリ

【1】

はぁ〜、昨日はほとんど徹夜だったからしんどかったなぁ。
睡眠不足で目の下にクマができましたよ・・・。この牡前の僕の顔が・・・。
え?そんなに大したモノじゃないだろって? し・・・失礼ですよ!余計なお世話です!
と、1人ボケツッコミはこの辺にしておいて、喫茶『ドカン』 行ってイヌ丸拾って、
ついでにホネコ飲んで(もちろんイヌ丸のオゴリ♪)から行きますか。

  〜イヌヲ&イヌ丸、ホネコ飲んで待ち合わせ場所に向かう〜

あ、もうブルルさんたち来てますよ。さすが早いなぁ〜。それにしてもイカツ・・・。
知らない人が見たら、間違いなくこっちが悪者に見えるな。ププ
「ドモドモ、ご苦労様です。どうですか?ヤツ帰ってます?」
「イヌヲさん、コンニチワ。ちょっと進展ありましたよ。どうやら在宅のようです。」
「おぉ!マジッスか!ついに来ましたね!早速踏み込みますか?」
「そうですね、踏み込みましょう!イヌ丸さんはルドッグと手分けして、
表と裏で張っててもらえます?こういう場合、逃げるヤツよくいますんで。」
「イエッサー!じゃあ、僕は裏にこっそり行ってますね。イヌヲさん、追い込み頼みますよ!」
「おぅ!キッチリ取り立ててやるわい!大船に乗った気で待ってろよ!」
「大船が泥の船じゃなけりゃいいんですけどねぇ・・・・。」

あのヤロウ、イヤミを言い残していくとは生意気な・・・。

「ヨシ!イヌヲさん、それじゃ踏み込みますよ!」
「ハイ!準備OKです!」

ピンポ〜ン♪

・・・・・・・ ん?留守か?

ピンポ〜ンピンポーン♪

・・・・・・・ あぁ?居留守か?生意気な!

ピンポンピンポンピピピピピピポンポンピピピピッポ〜ン♪

「・・・・・。あぁ?ウッセーな。誰だ、テメェ?」
  あ、でましたよ!ククク、バカめ。これからシメられるとも知らずに。
「チワ〜、クロネコ通運の者です。お届け物に参りました〜。」  
  ぉお!さすがブルルさん!手慣れてるよ!
「チッ!荷物なんか頼んでねぇのによ・・・。今開けるから待ってろよ。」
  このヤロウ、なんだこの口の聞き方は?もうアドレナリンでまくりだよ。
「ハーイハーイ、ご苦労様♪ こちらは『極悪詐欺師被害者の会』のブルルで〜す♪」
  うぉおお!ブルルさん、メッチャ楽しそう!この人これが趣味だな!そうに違いないよ!
「な・・・なんだよ、それ?クロネコ通運じゃないんかよ!詐欺師なんとかなんて知らんぞ!」
  あーあー、みっともないね。こんなに動揺しちゃ関係あるのバレバレじゃん。
「君は知らなくても、こっちは知ってるんだよね♪ 認めてゲロる?それとも痛い目あう?」
  やっぱこの人はこれが本性だよ!紳士は仮面だったんだ!ブルルさん、コエー。
「なんだテメェ!脅しかよ!ふざけやがって!警察呼ぶぞ!」
  警察って・・・・。ホントにアホですな、コイツ。
「ハハハ、警察かい。いいよ、呼んで。僕らの話聞いてもらおうよ♪ ハヨ呼ばんかい!!
  来た来た!ついに仮面が外れた!このドスの利いた声!やっぱパンクスだよ!
「い・・・・いや、警察はやっぱやめとこうかなぁ〜。まぁまぁ冷静に話し合いましょうよ。ハハ・・・」
  お、ついに落ちましたね。このバカ、手間かけさせやがって。
「ようやく自分の立場わかったようだね。じゃあ、ちょっと中でゆっく〜り話しようか。
ゆ〜〜〜っくりね。 イヌヲさん、外の2人も呼んできてもらえますか?」


【2】

うーむ、なんか詐欺師もよく見ると、全然普通のイヌですよ。
もっとしたたかな悪犬面してるかと思ったんですけどねぇ。
追い込みはブルルさんが自分に任せて欲しいと言ってきたんで、
僕らは横で見守ることにしましょう。僕らだと乱闘になりそうですし(笑)

「さて、それじゃ話を聞こうか。まず君は最初から詐欺目的だったのか?」
「い・・・いや、最初はちゃんとやってたんです。でもある時、商品を送りそこなって
そのままにしちゃったことがあったんです。それはホント忘れてただけなんです。
その後、相手から何もアクションがなかったので、これって手軽に金が稼げるなと
閃いたんです。それからは、詐欺というか、商品を送る気はなくなりました・・・。」
「ははぁ〜ん、典型的な素人詐欺師だな。遅かれ早かれ行き詰まると思わなかったのか?」
「僕もそう思いましたが、これほど短期間で楽に稼げると、なかなかやめられなくて・・・。」
「私が聞いてるだけで、君に被害にあったのは15犬以上はいるんだが、実際はどうなんだ?」
「あまりよく覚えてないのですが、おそらくその倍は騙してると思います・・・・。」
「倍か・・・・。じゃぁ、稼ぎも相当だっただろう?」
「えぇ。3ヶ月で、300万は稼ぎました。1人頭10万ずつ引っ張ったんで。」
「300万か、毎度のことながら驚くね。で、その金は今あるのか?」
「・・・・。いや、ほとんど使っちゃいました・・・。」

「なんだとぉ!僕から騙し取った金を使っただと!フザケンナ!コノ!コノ!コノ!」
あちゃちゃ、イヌ丸ブチギレて殴りかかっちゃいましたよ。とりあえず鼻パンで抑えよう。

「まぁまぁ、イヌ丸さん落ち着いて。とりあえず彼の話を聞いて、
それから代金回収の話をしましょう。焦っても良いことはないですよ。
で、金は何に使ったんだ?」
「はぁ・・・。実は最近、キャバクラ&ランパブにハマってまして・・・。
そこでパァ〜と使っちゃいました。だってアレはこの世の天国ですよ。
カワイイメスとイチャイチャし放題ですからねぇ、イヒヒヒヒヒヒヒ! 」

パンパ〜ン!

「調子扱くなよ、このクサレ詐欺師が!イヌ丸がどんな思いで金貯めたか
わかってんのか!毎日毎日、サテンのバイトでコツコツ貯めたんだよ!
それをテメーはキャバクラで豪遊だぁ?ナメンナ!オラ!オラ!オラ!オラ!」
ダメだ・・・。もうこのゲスみてたら、抑えが利きません。やっちゃいました。エヘ♪

「ちょ・・・ちょっと、イヌヲさんまで熱くならないでください!暴力は後でにしましょうよ。
ちゃんと時間とりますから、それまで待って下さい。私に任せてください。」
「はーはーはーはー、わ・・・わかりました。後であるんですね?ボコリタイムが。」
「はい、だから今は落ち着いて。それまでしっかり溜めておいてください。」


【3】

「なぁ、お前もこれで被害者の怒りがちょっとはわかっただろ?返済はどうするつもりだ?」
「・・・はい。返済と言われましても、ない袖は振れないですよ。金はほとんど残ってませんし。」
「ふむ、じゃあ、まずこの部屋の金目のモノ、家電からCD、本、服に至るまで全部売れ。」
「えぇ!全部ですか!それじゃ僕は明日からどうやって暮らしていけば・・・・。」
「そんなの知るか。何甘えてんだ?自分のケツは自分で拭くしかないんだよ。」
「は・・・い・・・・。じゃあ、明日から売り始めますんで、それでお金返します。」
「いや、この話合いが終わったら、オレたちも同伴してすぐ売りに行く。それから、
この部屋も今日で解約だ。そうすりゃ敷金が帰ってくるだろ?それも寄こせ。」
「ぇええぇ!それじゃ僕は住むところもないじゃないですか!なんですか、それ!」
「だから、知るかっての。何度も言わせるなよ。オレも切れそうなの耐えてんだし。
オレまで切れたら、フクロされて命だってあるかわからんよ。なぁ、わかってるか?」
「は・・・い・・・・。それもやっぱりこの後すぐ・・・・ですか?」
「当然だろ。こっちはお前のツラなんて何度も見たくないんだよ。さて、次だ。
お前、身分証明書持ってるよな?保険証なり、免許証なり。それ使って、『無犬君』
や『松富士』、『レエク』などのローン業者でキャッシング上限まで借りまくれ。
キャッシングで引っ張るだけ引っ張ったら、今度はサラ金行け。で、借りれるだけ借りろ。」
「ゲゲ!そんなことしたって僕には返す当てなんてないですよ!
だって詐欺で生計立ててたんですから!これじゃ、もう僕は破産ですよ!」
「うん、それでいいんだよ。破産しろよ。こっちはお前から金さえ引き出せりゃいいし。
破産すりゃ、お前も債務がチャラになって楽だろ?まあその後の生活に制限あるけど、
そのくらいは仕方ないだろ。『身から出た錆』だと思って諦めろ。」
「あんたオニかよ!血も涙もないよ!僕に死ねって言ってるようなもんじゃないか!」
「ハハハ、オレがオニか?こんな優しいオニはいないぞ。ホントのオニはもっと恐いっての。
それから、オレが言ったこと全部片づいたら、マグロ埠頭に来い。つーか、連れてくけどな。」
「え・・・・、それってまさか・・・・・。」
「お、察しがいいな。たとえ全部やっても、被害者への支払いには足りないだろうから、
お前は破産宣告したら、1年間マグロ漁船に乗って遠洋漁業へ出航だ。もちろん無給。
全部話はついてるから、安心して行ってこい。特典として、魚食い放題だぞ〜。」
「う・・・・うぅ・・・・・、なんでオレがこんな目に・・・・うぅ・・・・・。シクシク」
「まあ、気軽に犯罪するとこうなるってことだ。イヌヲさん、イヌ丸さん、とりあえず
こんな形になったんですが、どうでしょう?やはり命くらいは残してやりたいと思いまして。」

ハハ・・・・ハ・・・ハ・・・・。
僕らはただウンウンうなずくことしかできませんでした。
ブルルさん、アンタやっぱ外見通りの人だよ。オニっつーより、アクマだな。
世の中にアクマがいるとしたら、きっとこういう姿形なんだろうなぁ・・・。
なんか犯人にちょっと同情しちゃいましたよ。 まあ、解決したんで良しとしましょうか。
僕らはブルルさんのおかげで助かったけど、世の中には詐欺師に騙されて泣いてる人が
まだまだイッパイいるんだろうなぁ。僕らもそうなっていたと思うと冷や汗でるよ・・・。
さて、無事解決したってことで、イヌ丸のオゴリでパァ〜っと行きますか!

ヅツキヨム?

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